今年のSIGGRAPHの一番の見どころ、あるいは最大の目玉の一つといってもいいのが大会2日目に行われたる基調講演だろう。
前回の基調講演は映画"スターウォーズ"で知られるジョージ・ルーカス氏だったが、今年はデズニー・イマジニアの副社長ジョー・ロード(Joe Rohde)氏が行なう。同氏はデズ二ーのフロリダ州"動物王国"のデザイン開発最高責任者であり1990年からデザイン開発を担当している。これまでインドネシア、ネパール、ケニア等を旅行し、デズ二ーの構想を練って来た。娯楽産業のメッカデズ二ーの面白さの仕組みが聞けるかも知れない。
33回大会ともなると、新しい事実が積み重なり、歴史が生まれてくる。SIGGRAPHの顕彰制度や回顧展もその一つだが、約10年毎に産み出されると云われる新しい技術革新が今始まっている。近年インターネット技術が脚光を浴びて来ているのがそれである。附随する様々なビジネスチャンスが今年のSIGGRAPH会場で見つかるかも知れない。続報で大会の模様をお伝えしようと思う。
CGグランプリ事務局 八文字俊裕 ーーー(06.5.9記)
アメリカ コンピュータ学会(ACM)のCG(コンピュータ・グラフィックス)の国際大会SIGGRAPH2006は、1974年の第1回大会から数えて33回目の大会を、マサチューセッツ州ボストン市で開催する。大会の新しい概要が次のように発表されたのでお伝えする。
今回SIGGRAPHは“デジタルアーティストの歴史的回顧展”コーナーを初めて設けた。
白羽の矢は85才のアーティスト、チャールス・スーリ(Charles A. Csuri, Ohio State University名誉教授)氏に当たった。氏は1971年から1987年迄オハイオ州立大の先端芸術デザインセンター(the Advanced Computing Center for Arts and Design)の設立・運営に携わった。1986年ベネチュア・ビエンナーレ招待作家として国際的にも知られている。今回は1963年以降の数々の作品が展示される。
○SIGGRAPH2006大会概要
大 会 名 SIGGRAPH 2006 /33th International Conference on Computer Graphics and Interactive Techniques
大会議長 SIGGRAPH 2006 Conference Chair John Finnegan, Purdue University
日 程 2006年7月30日(日) -8月3日(木)
場 所 ボストン・コンベンションセンター他
会 場 Boston Convention Center and hotels in the downtown
入場者 30,000人(見込、2005年は29,122人)
SIGGRAPH にはさまざまな参加者のための研究発表のテーマやカテゴリーがある。それらの中で最も標準的であり、人気が高いのものにアートギャラリー(CGアート作品展)、エマージング・テクノロジーズ(E-Tec/応用技術展)、コンピュータ・アニメーション・フェスティバル(CGアニメーション映写大会)、ペーパー(論文)それにエキジビション(機器展示)などがある。
"アート・ギャラリー"
~CG平面、立体作品、バーチャルリアリティ、マルティメディア、etc
世界のCG作家たちの平面、立体、彫刻作品展。
日本から河口洋一郎氏(東大)の作品が入選確実だが、他の日本人の入選はかなり難しい。
~オープニング・レセプション
*開会式典* アート・ギャラリー ボニー・ミッチェル委員長
*CG パフォーマンス* CGアーティスト 河口洋一郎、
ダンスパフォーマンス Alissa Cardone
"エマージング・テクノロジーズ" (CG先端技術セッションとデモ)
~ロボティック研究
NTT DoCoMo ヒューマノイド・ロボット:30年後の実用化を目指す人形ロボット。
MIT メディアラボ ロボティック・ライフ: 治療用癒しロボット。
~レーザー・プラズマ
Burton Inc.慶応大学:空間に自由に描かれるレーザー・プラズマの3次元画像作成装置。
~触覚・他感覚
Eye Plus Plus, Inc. 東京大学館研究室:ヘッド網膜システムにより視覚情報を受ける。
"コンピュータ・アニメーション・フェスティバル"
~公開予定の最新CG映画や短編726作品の申込みがあり97作品が入選した。
その内トップ37作品が大ホールで、60作品は映写室で上演される。
"キング コング(King Kong: In a New York minute)":1933年当時のニューヨーク・マンハッタン
島がすっぽりと正確に描かれていると同時にブルックリン、クイーンズそれにニュージャージーの
一部が再現された。日本から"お化け農場の5つのサーカス隊"(デジタル メディアラボ)他4作品が
入選している。
"機器展示会"(250社参加予定)
~デスクトップ・パブリッシングなど
ATI テクノロジー・ 世界最大級の技術開発会社、カナダ
BOXXテクノロジー・ テキサス州 etc.
~CAD CAM CAE CIM
NVIDIA グラフィックス デジタルメディア プロセッサーの大手、
カリフォルニア州 etc.
~Web グラフィックス
ボストン大学 デジタルイメージアーツ センター etc.
この他の主なカンファレンス・カテゴリーとしては"論文発表" 、"集中講義"、"特別セッション”、”パネル”等がある。
詳細は [http://www.siggraph.org/s2006/]
以 上